圧入端を基準にゾーン判定を安定化 ― ポストゾーン判定のしくみと効果

【サーボプレス】

ゾーン判定は、ストローク座標に対し荷重の上限・下限を「ゾーン」として定義し、圧入中の荷重曲線がそのゾーン内を通過するかどうかで OK / NG を判断する機能です。
ピーク荷重やワーク接触位置のチェックに加えてゾーン判定を利用することで、圧入途中の荷重曲線そのものを評価できるようになります。

従来のゾーン判定の課題

サーボプレスのストローク位置は、ツール原点を基準としたモーター内蔵エンコーダの回転量をもとに算出されており、基本的には安定した位置情報が得られます。しかし実際の圧入工程では、目標の荷重に到達した時のストローク位置情報が、様々な要因で変化・ズレが発生することがあり、ゾーン判定の信頼性にも影響を与えます。
一方で、こうしたずれを見越してゾーン範囲を広く設定してしまうと、本来NGであるべき波形もOKと判定されてしまうリスクが高まり、判定の有効性が損なわれてしまいます。

 

●加圧結果のストローク位置情報の変化の要因
・ワークのセット位置のずれ(搬送・位置決め精度の影響)
・ワーク寸法のばらつき(公差範囲内の高さの違い)
・機構や治具の熱膨張(環境温度や連続稼働による発熱の影響)

ポストゾーン判定のしくみ

圧入端のストロークを基準としてゾーンを動的シフト

1. ブロッキングポイント登録:枠判定の設定時に圧入端の基準位置となるブロッキングポイント(SBP)を登録
2. 圧入端検出:プログラム内で荷重目標到達点Spostを運転中に取得し、ブロッキングレジスタに代入
3. ゾーン移動:ΔS = Spost−SBP だけゾーンを横方向へシフト
4. 判定実行:シフト後ゾーンに曲線が収まるかで OK / NG 判定

まとめ

圧入端基準でゾーンを補正するポストゾーン判定により、ワークセット位置ずれや熱膨張によるストロークずれの影響を自動的に吸収し、安定したゾーン判定が可能になります。ポストゾーン判定を使うことで、ゾーン判定の実用性が大きく広がります。

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