プレス機の種類を解説!【動力源の種類とフレーム形状】

【サーボプレス】

“プレス機”と一言で表現しても、さまざまな動力源とフレーム形状があり、 それぞれに異なるメリット、デメリットが存在します。比較表も用意しましたので最後までご覧ください!

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機械式

液圧式

空圧式

サーボ式

1. 機械式プレス

往復スピードが速く、繰り返し動作が可能

プレス動作を行うラムの駆動源を電動モータから得るプレスになります。 機械式は、内部の構造からクランク式と呼ばれるものが多く、クランク式はモータの回転をフライホイールを経由してクラッチを繋ぐことで、モータの回転運動をラムの直進運動に変換し、荷重を掛けるのが特長で、ラムの往復動作のスピードが速く、繰り返し動作も可能です。

メリット
往復動作のスピードが速く、繰り返し動作が可能なため、大量生産や生産性を重視する工程には最適なプレスです。
デメリット
構造上の理由からストローク端での加圧動作となるため、任意の位置で荷重をかけることができません。
機械式イメージ

2. 液圧式(油圧式/水圧式)プレス

油圧式はプレス機のスタンダード

プレス動作を行うラムの駆動を油圧や水圧で行うプレス機です。 機械式と比べてストロークに制限が無く、長いストロークにも対応できるので、いろいろな工程で重宝されています。特に油圧式は多くの生産現場で採用されています。 導入コストも他のプレスに比べて安価ですし、バルブを調整することで、加圧力、動作パターンを制御できる特長があります。 液体を使用しているため、液漏れのリスク、動作スピードが遅い、加工時の実際の荷重がわかりにくいというデメリットもあります。

メリット
  • 導入コストが比較的安価
  • 加圧力と動作パターンをバルブで調整できる
デメリット
  • 液漏れリスクがある
  • 動作スピードが遅い
  • 加工時の荷重が分かりにくい

3. 空圧式プレス

動作スピードが速く、長時間の保持も可能

空気の圧力を動力源として、ラムを動作させるプレスになります。
ラムの動作スピードが速く、長時間の荷重保持も可能です。これらの特長を生かして、圧入、カシメ工程のほかに刻印、曲げ、成形工程でも使用されています。
エア源のみを用意するだけの手軽さと静穏性がメリットです。
エアハイドロコンバータを使用して、空気圧を油圧に変換することで、空気圧の制御で油圧式と同様の機能を持たせたプレスもあります。
デメリットとして、空気の圧縮により容積が変化するため、精密な制御は難しいことです。

メリット
  • 動作スピードが速い
  • 長時間の荷重保持も可能
  • エア源を用意するだけの手軽さ
  • 静穏性
デメリット
  • 精密な制御は難しい

4. サーボ式プレス(サーボプレス)

ストローク、スピード、荷重を数値で細かく制御できる

サーボモータを動力源としたプレス機です。
内部構造の違いからクランク式とスクリュー式があります。

サーボモータを使用することで、位置(ストローク)、スピード、推力を数値で任意に設定できるため、複雑な動作を実現できます。高精度な加工に対応できることが最大のメリットです。
圧しの荷重制御はもちろんですが、引きの荷重制御も行える機種もあります。
0.1や0.01単位の高い精度でのOK/NG判定や自動的に各種数値データが保存できるのでトレーサビリティ面でも有利です。

メリット
  • 数値設定で緻密な動作設定が可能
  • 高精度な加工が可能
  • OK/NG判定ができる
  • 動作の度に数値を保存することができる
デメリット
  • 比較的価格が高い
  • 内部の構造によって、得意分野が異なる
ACサーボプレス専用コントローラ

ACサーボプレス専用
コントローラ

ACサーボプレス

ACサーボプレス

マルチプレス(卓上サーボプレス機)

マルチプレス
(卓上サーボプレス機)

メリットとデメリットの比較表

動力源ごとのメリットとデメリットを比較表にまとめましたので、ご参考にどうぞ!

<<<表は横スクロールが可能です>>>

  機械式(クランク式)プレス 液圧式プレス 空圧式プレス サーボ式プレス
おすすめな方
  • 端子製造など、生産速度を重視される方
  • 安価で、汎用的な使用を想定されている方
  • 比較的必要な推力が低く、加工精度を求めない方
  • 加工時のトレーサビリティを管理したい方
  • 複雑な形状の加工をされている方
  • 多品種、少量生産されている方
  • 試作や評価で使用される方
メリット
  • ラムの往復動作スピードが速い
  • 繰り返し動作が可能
  • 他の動力源と比較して、安価
  • エアー環境があれば、導入しやすい手軽さ
  • クリーンな作業環境
  • ストローク/速度/推力を任意に設定できる
  • 荷重やストローク位置の管理が可能
  • 低騒音かつクリーンな作業環境
デメリットと
注意点
  • ストローク端でのみ加圧するため、任意の位置で荷重が掛けられない
  • 液漏れのリスクがある
  • 動作速度が遅い
  • 実際の荷重値が分かりにくい
  • 精密な制御は難しい
  • 価格が比較的高い
  • 内部の構造(クランク式/スクリュー式)によって、得意分野が異なる
生産性
価 格

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フレームの形状で分ける種類

プレス機械の種類を動力源とフレームの形状について解説しました。

動力源とフレームの形状によって得られるメリットが異なります。大量生産に最適なプレス機械は工程に合わせて選択することで、性能を最大限引き出すことができます!

C型フレーム

4柱プレーム(ストレートサイド)

1. C型フレーム

作業効率がよく、汎用的に使える

マルチプレス(卓上サーボプレス機)

プレス機の横から見ると”C”の形に見えることから、C型プレス機と呼ばれます。手前が空いているため、作業者による単発作業やロボットを用いた生産ラインに向いています。その反面手前が空いていることで、想定以上の大きな荷重を掛けるとフレームが歪んでしまい、「口開き」と呼ばれる現象が発生してしまいます。

2. 4柱型フレーム(ストレートサイド)

フレームの四隅に柱でフレームの剛性が高く、プレス時の精度面で有利

フレームの四隅に柱を設置しているタイプでフレームの剛性が高いので、プレス荷重が大きいプレス機に使用されることが多いです。
4柱フレームを使用することで加圧時のフレームのたわみが抑えられ、プレス時の精度面では有効です。また、ベット面も広くなりますので、搬送等のユニットやエアブロー用のアクチュエータ等の配置にも有利です。
C型フレームと比較すると4ヶ所に柱があるため、作業性が劣ることと設備サイズが大きく、価格も高めになるというデメリットはあります。

【memo】ストレートサイドとは…

門型とも呼ばれ、4柱タイプの中でも特に剛性に優れる構造をしており、加圧能力が数十トンから数千トンの大型プレス機を指す場合が多いです。

まとめ

動力源とフレームの特長を生かして、最適なプレス機械の選定を

プレス機械は動力源とフレームの形状の特長を生かした選定を行うことで、生産性や品質の向上に繋がるでしょう。

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