なぜプレス工程で荷重保持が必要?―サーボプレスで実現する荷重保持を解説

【サーボプレス】

加工対象物にある荷重を掛けた状態が必要な場合には「荷重の保持動作」が必要になります。
「なぜ、荷重保持が必要なのか」と、
サーボプレスで荷重保持を実現するメリットをご紹介します。

サーボプレスのラムを動作させると加工対象ワークに接触し、通常はさらにそこから設定された荷重値で設定されたストロークまで動作していきます。
その設定されたストロークに到達しても設定された荷重値で圧し続けることも可能で、これを「荷重保持」と言います。

機械式イメージ

なぜ、荷重保持が必要なのか―?

なぜ「荷重を保持する」ことが必要なのでしょうか。一般的にこれらの用途が挙げられます。
・荷重を掛けた状態でワークの評価を行う ⇒ 試験機、評価機
・荷重を掛けたままで他の加工(高周波溶着 / 超音波溶着 / 熱板溶着 / 接合)を行う ⇒ 溶着機、接合機

保持時間をコントロールする

動力源によって、荷重を保持する時間の調整方法は異なります。

油圧式プレスの場合

  • 油圧シリンダのストロークエンドへの荷重保持
  • ストローク途中にストッパーを設け、ストローク中間での荷重保持

油圧式シリンダを動作させるバルブのON/OFFで動作するため保持時間に制限はありません。しかし、動作させるために油圧ユニットを使用するため、油圧ユニットの能力に起因します。

サーボプレスの場合

サーボプレスにはクランク式とスクリュー式がありますが、荷重保持ができるのはスクリュー式のみです。
ストロークおよび荷重値の制御を自在に行えるので、設定するだけで比較的簡単に荷重保持の状態は作れますが、サーボモータの能力によって荷重を保持できる時間が異なりますので、その場合はメーカーへ想定される加圧推力と保持時間をお問合せされることをお勧めします。

コアテックのACサーボプレスはスクリュー式を採用しており、荷重保持が可能です。

サーボプレスを使った荷重保持の事例

【事例】電子部品メーカー

新製品の評価用にコアテック製のサーボプレス機を採用いただきました。
製品に荷重を掛けた状態を長時間キープしながら、製品のデータ取りをされています。
掛ける荷重値、荷重を掛ける時間を変化させて複数パターンデータを収集され、製品性能を引き出せる条件の評価を行われています。

4柱マルチプレス

採用機種:FMS10-100B

サーボプレスで荷重保持をするなら…

コアテックのGSシリーズとWPSコントローラの組合せがおススメ

2021年秋にコアテックより新型ACサーボプレス「GSシリーズ」がリリースされました。
搭載しているサーボモータを一新することで性能、能力が大幅にアップし、従来機種と比べ動作速度、応答速度が速くなり、荷重保持時間も長く設定できるようになりました。新型の専用コントローラ「WPSモデル」と組み合わせることで、性能を最大限に引き出すことができます。

GSシリーズとWPSコントローラ

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