サーボプレスの構造とフレームタイプについて解説!

【サーボプレス】

「サーボプレス」は、動力源にサーボモータを採用したプレスユニットになります。

油圧式、エア式のプレスユニットは、加圧する際の減速位置、停止位置や移動速度、加工時の速度などを絡めた多種多様な制御が難しいとされていましたが、サーボモータでラムの動きをコントロールすることでパーツに優しい、金型にも優しい複雑なプレス動作を可能にしました。
内部構造や販売されているフレームの種類などを特長も含めて少しご紹介します。

 サーボプレスの構造

「サーボプレス」は、内部構造によって大きく2つに分かれ、停止精度や動作速度等が異なるため、目的に合わせて選択することが重要です。

スクリュー(ボールねじ)式サーボプレス

サーボモータの回転をボールねじに伝え、ボールねじのナットに組付けたラムを動作させます。
コアテックのサーボプレスはこちらの方式になります。
高精度な制御(位置、荷重)が行えるのが最大の特長であり、生産性向上に貢献します。
メーカーによっては、位置の繰り返し精度が±0.005mmを実現しています。
デメリットとしては、往復動作の際にサーボモータが正転と逆転を繰り返すため、クランク式のようなスピードの速い往復運転は苦手という事とボールねじを使用していますので、ラムへの衝撃にも注意が必要です。

▽全モデルでスクリュー式を採用しているコアテックのサーボプレスはこちら

クランク式サーボプレス

クランク機構にサーボモータを組み合わせたタイプになります。
モータは1方向の回転のみで、その回転運動を往復動作に変換するので、連続動作が可能になり、パーツの大量生産に向いています。
デメリットとしては、ロングストロークの対応は難しく、構造上、上死点と下死点では大きな荷重を発生させますが中間位置では無理なため、複雑なプレス動作には対応できません。

 タイプ

日本国内で販売されているサーボプレスには、使用する用途によって、いくつかのパターンが存在します。順番に紹介します!

ツールタイプ

主に圧入、成形、カシメ、曲げ等の工程で使用される生産設備への組込み用途で採用されています。各サーボプレスメーカーは、プレス本体のコンパクト化や取付位置の工夫等により、生産設備全体のサイズダウンやメンテナンス性にも貢献しています。動作パターンの設定やOK/NG判定は、付属の編集ソフトでプログラムを作成し、専用コントローラに書き込みます。生産設備側のシーケンサ(PLC)から動作トリガーを送信することでも動作可能です。”サーボプレスユニット”と呼ばれる場合もあります。
コアテック製は、2kN~200kNまでの荷重域をカバーするラインナップをご用意しております。

C型フレームタイプ

上記のツールタイプを販売しているメーカーの多くからC型フレームタイプのプレス機が販売されています。
ツールタイプにC型フレームや操作用タッチパネルを備え、すぐに使用できるようになっている点が特長になります。作業者の安全を考えたライトカーテンやカバー、作業性を考慮した下部架台などのオプションをラインナップしているメーカーもあります。作業者がパーツのハンドリングを行う単発機として採用されるケースが多いです。一部のメーカーは、I/Oの入出力スペースを設けていて、既存の生産ラインや自動機への組込みを想定した機種を準備しています。

4柱フレームタイプ

4柱フレームタイプのプレス機はツールタイプを販売している一部メーカーや設備メーカーが製作/販売を行っています。
フレームの四隅に柱を設置しているタイプでフレームの剛性が高いのでプレス荷重が大きいプレス機に使用されることが多いです。
4柱フレームを使用することで加圧時のフレームのたわみが抑えられ、プレス時の精度面では有効です。また、ベット面も広くなりますので、搬送等のユニットやエアブロー用のアクチュエータ等の配置にも有利です。
C型フレームタイプと比較しますと4ヶ所に柱があるため、設備サイズが大きくなり、価格面でも高めになるというデメリットはあります。

 比較表

C型タイプ 4柱タイプ
おすすめな方 プレス工程で作業性を重視される方 加工精度を重視される方
デメリットと注意点 フレームの剛性に注意が必要 比較的高額になりやすい
手動での作業性
(作業者側が空いている)

(4本の柱に囲まれている)
フレームの剛性
(加工精度に合わせた選定が必要)

(4本の柱で剛性を確保しやすい)
拡張性
(搬送や検査などの追加)

(取付スペースが限られる)

(取付スペースに余裕がある)
納 期
(※1 コアテックの参考納期)

(1週間~3ヶ月)

(2.5ヶ月~4か月)
価 格

※1…納期は在庫状況や生産状況によって変動いたします。正式な納期は特設サイトのお問い合わせフォームよりご連絡お願いいたします。

 まとめ

油圧式やエア式のプレスでは困難なプレス動作がサーボプレスを使用することで実現できるようになりました。
さらに加工毎にストロークや荷重値の結果、荷重変化量等々たくさんのデータも収集できます。
また、判定設定をすることで、不良品を後工程へ流出させる事の防止、金型やジグ、加工するパーツの破損も事前に防ぐことも可能です。

作業者にやさしい、会社にやさしい、パーツにもやさしい、環境にもやさしい、これらがサーボプレスの採用が増えている理由です。

サーボプレスに関するご相談は…

コアテックはサーボプレス単体の販売はもちろん、1972年の創業から8000台以上のFA設備を送り出してきた実績を基に、
お客様オリジナルのプレス設備の製造も可能です。

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