【導入したけど使うのをやめてしまった】外観検査機が定着しなかった理由と対策とは?

【POLASTAR-三次元計測】

品質の安定化と、省人化を目的に導入が増えている外観検査装置。「導入当初は使用していたものの、徐々に使われなくなってしまった。」というケースも少なからず存在します。なぜ、このような状態になってしまうのかその原因を整理し、対策をご紹介します。

【この記事がおススメな人】

  • これから検査機を導入しようとされている方
  • どのような運用をすれば、継続した使用ができるのか知りたい方

【原因①】誤検知が多い

誤検知とは「良品なのに不良品として判定してしまう」「不良品を良品として判定してしまう」といったものです。前者の場合は、オーバーキルと呼ばれる場合もあります。誤検知が多発すると歩留まりが低くなり生産性が悪くなります。NG判定されたものを、人が再検査し良品とする場合もありますが、この方法では工数が掛かってしまい、「想定していたほどの省人化にならない」と判断されるケースもあるでしょう。

【原因②】ワークの機種が変わってしまった

導入当初から時間が経過し、生産する機種が変わってしまった場合です。
ソフトの変更だけで対応する場合は、検査システムの仕様を把握している担当者が作業する必要があります。
ワークの形状が大きく変化する場合は、設定変更だけでは対応できず、ソフトウエアの改造が必要となったり、カメラや照明などのハードウエアの変更となるケースもあります。
コストの回収が見合わず、検査機の使用をやめてしまうケースが考えられます。

【原因③】検査機の設定や調整が難しい

管理基準(項目)が厳しくなることに比例し、設定項目は多くなる傾向があります。そうなってくると、「どの項目に、どのような数値を設定すればいいのかわからない」といった状態が発生しやすくなります。 検査機の目的と、狙い通りの運用を行うためにも、全体を把握できる”担当者”の設定は重要なポイントです。

対策方法

社内に検査機の仕様を把握できる担当者を設定する

検査機の全体仕様を把握しておくことで、トラブルの原因がわかるようになり、設定変更が必要な場面でも加減がしやすくなります。また、検査機メーカーとの窓口を1本化しておくことも、スムーズな解決につながるポイントです。

とはいえ、専任担当者の確保する余裕はない!

他の業務と掛け持ちで設定した場合、担当者の方は操作方法を学ぶために工数が必要です。取扱い説明書を読めばわかるようなことも、生産を行いながらでは多忙で定着は難しい場合があります。

検査機メーカーのサポートが充実していれば安心!

担当者が仮に兼務となった場合でも、検査機メーカーのサポートが充実していれば、安心して導入できるでしょう。
サポート方法の例をご紹介します。

電話やメールでのサポート

最もポピュラーなサポート方法で、操作方法の不明点を電話やメールを介して、質問し回答を得る方法です。

【メリット1】困ったときにすぐに連絡できる

電話を掛けるだけで、問い合わせできるので困ったときにすぐに連絡できる点がメリットです。

【デメリット1】電話だと状況を伝えるのが難しい

電話の場合口頭で伝えることになりますが、細かい表現が難しく、理解の行き違いが発生しやすいため、解決が難しい場合があります。

【デメリット2】メールだと手間がかかる

メールだと写真や動画を使えば、状況や回答を確実に伝えることができます。しかし撮影や編集作業が必要だったり、添付できるファイルサイズに上限があったりと意外に手間がかかります。

訪問サポート

Q&Aだけでは解決しない場合は、サービスマンに訪問してもらいサポートを受ける場合も考えられます。

【メリット1】現場で確認してもらえる

直接現状を確認しながら作業するため、最も確実な方法であることが最大のメリットと言えるでしょう。

【デメリット1】すぐに見てもらえないこともある

サービスマンが近郊にいれば、比較的すぐに来てもらうことができますが、作業員のスケジュールなどから数時間から1日程度は要する場合があります。

【デメリット2】費用が発生する可能性

出張費を請求される可能性があります。事前にメンテナンス契約しておけば、含まれる場合もあるので確認が必要です。

Webを使ったサポート

検査機をWeb回線に接続し、設定方法を直接サポートしてもらう方法です。

【メリット1】トラブルの状況を伝えるための手間が減る

電話やメールでは状況を確実に伝えるために、スクリーンショットを撮って資料作成が必要な場合があります。
検査機の画面を共有しながら作業を進めるため、作成する手間が省くことができます。

【メリット2】作業者の移動工数がなくなる

作業者に出張してもらう工数を削減し、トラブル発生時に早く解決することができます。

【デメリット1】セキュリティーの課題

外部からアクセスできるため、第三者からのアクセスや攻撃をブロックするようなセキュリティー対策が必須です。また、検査機を接続できるネットワーク環境が準備できるかどうかも課題です。
近年では、FA用の4G回線も販売されているので、合わせて検討しても良いでしょう。

リモート操作で、設定作業をサポート

3D溶接検査システムには安心してお使いいただくためにリモートサービスをご用意

3D溶接検査システムでは、導入後も安心してお使いいただくために”リモートサービス”を提供しています。
ネット回線で検査システムの状況を共有しながら、リモート操作で設定のサポートを行うため、最短工数で解決できます。FA用の4G回線機器(リモートコネクトボックス)をセットで提供しており、お客様のセキュリティ管理にも配慮しています。

まとめ

検査機は「導入=ゴール」ではないことがほとんどです。

閾値や設定変更を行いながら、自社の管理基準に近づける必要があります。
そのためには検査機の仕様を理解した”担当者”を設定し、調整することが重要です。人的リソースの面から担当者の設定が難しい場合は、検査機メーカーがどのようなサポートをしてくれるかどうかも、メーカー選びのポイントになります。

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