3Dカメラは物体や環境の三次元情報をキャプチャするために使用される特殊なカメラです。従来の2Dカメラとは異なり、深度情報を含む点群データを生成することができます。
情報が増えたことで、2D画像では自動化が難しかった検査も自動化できるようになってきました。
そんな3Dカメラですが、さまざまな方式があることをご存じでしょうか?この記事では、FA(Factory Automation)の外観検査用途にフォーカスして3Dカメラの仕組みと方式を紹介します。
【この記事がおススメな人】
CONTENTS
3Dカメラとは、縦と横だけの平面的な情報だけではなく、奥行き情報も得られるカメラのことです。
3Dカメラの技術が進歩し、より小型・高性能化されたことが普及の要因です。センサー技術や撮影方式の改善により、高精度な距離計測や形状復元が可能となりました。また、コンピュータの処理能力も向上し、リアルタイムでのデータ処理や高速な画像解析が可能となりました。高い測定精度とリアルタイム性を要求されるFA(Factory Automation)の世界でも採用される場面が増えています。
従来よりも3Dカメラの価格が低下し、3Dカメラを導入しやすい環境になってきています。
3Dカメラは「どうやって奥行き情報を得るのか」が肝心です。
さまざまな計測方式が開発されていて、対象物や計測環境によって向き不向きが存在します。
この記事では、検査用途でよく使われる3Dカメラの計測方式をご紹介します。
縞投影方式では、光源(通常はプロジェクター)から投影される特定のパターン(通常はストライプ状のパターン)を物体に照射します。物体の表面の形状によってパターンが歪むため、歪んだパターンをカメラで観測し、解析することで、物体の3D形状を推定します。
広い範囲を一度に3Dスキャンすることが得意なので、対象物の形状が複雑な場合は、光が遮蔽されてしまい、精度が低下する可能性があります。
対象物に向けてラインレーザーを照射します。その反射光をカメラで受けて、プロファイル化し、画像解析を行って断面形状を生成します。
このように帯のようなレーザー光を連続的に当てて、対象物を切断するように3Dデータ化するため光切断法と呼ばれています。
FA(Factory Automation)で使用される際は、多関節ロボットの先端に取り付けて動かしながら3Dスキャンするケースが一般的です。この方法で狭い範囲を高精度に3Dデータ化することができます。対象物の距離が遠い場合や、透明な物体だと反射光をカメラが受けられないため、精度が低下することがあります。
2つのカメラを並列に配置し、それぞれが異なる視点からの画像を取得します。左右の視差を計算することで、3Dの深度情報を得ることができます。ステレオカメラは、人間の両眼を視覚システムを模倣しており、比較的正確な深度マップを生成することができます。
2つのカメラの配置やキャリブレーションが重要なため、調整が難しい場合があります。
対象物が遠い場合や、光照射が不足していると、精度が低下することがあります。
自動車部品を例に挙げると、シート(座席)やシートレールは、法律で重要保安部品に指定されており、多くの製品で検査が行われています。また可動部分も多く、複雑な形状をしています。このようなワークを物理的な干渉を避けながら、高精度に3Dスキャンするには光切断法が最適です。
溶接の外観検査専用の検査項目を30種類搭載。汎用3Dカメラのように、ユーザーが計測ツールを組み合わせて検査項目を作成する必要がありません。
さらに、リモートサービスをご用意。設定作業が行き詰った場合でも、POLASTARの専任スタッフが、インターネット経由でリモート操作しスムーズに解決します。
溶接検査を自動化するメリットをまとめました