マシンビジョン(画像検査機)におけるレンズの種類

【接写型ラインカメラ】

テレセントリックレンズ

絞りの位置をレンズの焦点位置に配置することで、対象物から光軸に平行な成分の光のみを像化する仕組みのレンズです。平行光のみを使用するので(画角がゼロ)、対象物が遠くにあっても近くにあっても、また画像の中央と周辺でも、見え方が変化しません。そのためアライメントや寸法計測に向いています。ただし、原理的にレンズ径以上の視野は得られません。

非テレセントリックレンズ

外観検査が主な目的となるマシンビジョンの産業用レンズは、固定焦点レンズが基本となります。対象物をどのくらいの分解能で撮像するか、という点からカメラの画素数とセンササイズを決め、その倍率で撮像できる焦点距離のレンズを選びます。撮像の際には、所定の倍率になるようなWD位置にカメラを設置して撮像します。テレセントリックレンズとは異なり画角を有しますので、対象物との距離によって像の大きさが変化し、また画像の中央と周辺では見え方が変化しますので、寸法計測用途では注意が必要です。テレセントリックレンズと比べると、安価で明るく、レンズ径より広い視野を得ることができます。

歪みが少なく、広い視野が必要なら接写型ラインカメラがおすすめ

コアテック(株)が製造・販売する”接写型ラインカメラ”はCIS(コンタクト イメージ センサー)タイプと呼ばれる産業用のラインスキャンカメラです。

歪みがほとんどなく、テレセントリックレンズのような画像が得られる

コアテックの接写型ラインカメラは、GRINレンズアレイという特殊レンズを内蔵しています。GRINレンズ自体はテレセントリックではありませんが、アレイにして正立等倍像をつなげる構造となっていて、画像の中央と周辺でも見え方が変化しません。コピー機のスキャナーヘッドと同じ原理のため、ワークの幅が2,000mmを超える大きなサイズでも、カメラ設置高さは変わりません。そのためわずかなスペースで設置が可能です。また、画像の歪みがほとんどないため、テレセントリックレンズに近い画像が得られるので、寸法検査に最適です。

最大2,311mmの幅まで撮像できる

読取幅は最小192mm~最大2,311mmまで対応しています。約100mm間隔でラインナップしているため、ワークサイズに最適な読取幅を選定いただけます。ラインスキャンカメラなので、縦方向はハードウエアの仕様によって異なります。

まとめ

画像による寸法計測を行う際、非テレセントリックレンズを用いたカメラで撮像する場合は画角による写り方の変化に注意が必要です。
テレセントリックレンズを採用するとその問題は解消されますが、レンズより大きな対象物は撮像できません。
コアテックの接写型ラインカメラは、GRINレンズアレイという特殊レンズを内蔵し、最大2,311mmの幅を1台で撮像でき、歪みの少ない画像を得ることが可能です。

関連記事一覧